マァムはヒュンケルの居城である地底魔城に幽閉されてしまいます。地底魔城は不死騎団の根城。ガイコツやミイラ男がガヤガヤ、どやどやと忙しそう。 ヒュンケルは玉座に膝を組んで座っています。
そして、執事のモルグから魔軍司令ハドラーが戦場視察に来るとの連絡。地底魔城に到着したハドラーとザボエラ。ハドラーが地底魔城に来るのは15年ぶりとのこと。
ザボエラは何しに来たんでしょうね。興味本位の観光って感じでしょうか・・・?。もしくはちょろっとハドラーの手助けをして手柄を立てようと考えたのでしょうか?ハドラーがいなくなった後も地底魔城をウロウロしていたところを見ると何か昇進のネタになるものを探していたんでしょうね。
地底魔城の回廊でヒュンケルはハドラーと対峙します。そして、ヒュンケルはハドラーを軽くあしらいます。フレイザードのことはバカ将軍呼ばわりです。そして、極めつけは冒頭の一言。ハドラーに対して「兵どもが夢の跡」です。15年前のハドラーがアバンにやられたことの強烈な皮肉。
ヒュンケルはアバンだけでなくハドラーも恨んでいる模様です。ハドラーが十分に強ければヒュンケルの父バルトスは死なずに済んだと考えています。ハドラーもヒュンケルを嫌っており、ダイ討伐に失敗すればヒュンケルを処分しようと企んでいます。
ヒュンケルを軍団長に抜擢したのはハドラーではなく大魔王バーンでした。バーンはヒュンケルの目を気にいっていました。バーンの気に入る目とは「己以外のすべてを呪い やり場のない怒りをみなぎらせた目」だそうです。
物語の後半でヒュンケルが正義の戦士となってバーンに対峙したときは、バーンは昔は良い目をしていたのにと失望していますね。
ここからは考察。ハドラーはヒュンケルにクロコダインが来なかったか?と訪ねたとき、ヒュンケルは知らないと答えました。このときのヒュンケルの気持ちはどうだったのでしょうか?
クロコダインを敵と思っているなら、「現れたけど殺しました」ぐらいには答えていたでしょう。モルグに介抱させて、ハドラーには来ていないと答えたのはなぜでしょうか?ヒュンケルはクロコダインには生きていて欲しかったのだと思います。人間の素晴らしいさを思うクロコダインに対して、引き続きその気持ちを持ってほしいと無意識に願ったのでしょう。クロコダインはヒュンケルの希望になっていたのです。クロコダインが言った人間の素晴らしいぞとの言葉はヒュンケル自身も痛いほどわかっていたはずです。これもたぶん無意識ですが。
ただ、現状は、ヒュンケルのアバンや人間を恨む心は相変わらず変わっていないですし、今更、生き方を変えることもできないと考えいます。見て見ぬふりです。悪の道を進むしかないヒュンケルですが、クロコダインの言った真実も心をえぐるので、己の希望が少しでも叶うならと、クロコダインには無事でいて欲しかったんだと思います。
クロコダインを助けた判断は後にヒュンケル自身を助けることになります。クロコダインはハドラーの追手にも見つかることなく助かり、そのクロコダインがヒュンケルを助け出して希望となるのですから。